〔2〕PDCAサイクルの重要性

人材育成とPDCAサイクルの関係についてはいかがでしょうか。

佐野川谷

研修を基点に人材育成の流れを考えると、PDCA(Plan - Do - Check - Action) サイクルがうまく機能していないケースが多いように感じられます。研修の計画、実施、ここまではいいのですが、その先まで行われることは少ないのではないでしょうか。



宮崎

組織の中で研修がどのように業務に活かされているかを確認することは少ないですね。研修後に業務に変化があらわれたか「チェック」を行い、もし変わらないのであれば改善策などの「アクション」を起こす。お客さまにはこのPDCAサイクルをしっかり回されたほうがいいですよとお話しています。私どもは研修内容をお客さまの実情に即してブラッシュアップしていきたいと考えていますので、できれば研修後の変化もチェックされたうえで研修内容を一緒に強化できればと思います。


PDCAサイクルの「チェック」についてもう少しお聞かせください。

宮崎

私が研修担当者にいつも話すのは、評価の指標をしっかり決めてください、ということです。研修前のデータと後のデータを比べて、そこにどういう変化が出るか確認してくださいとお願いしています。それがPDCAの「チェック」なのです。そこをしっかりしないと次の「アクション」はとれません。自分たちが研修に求める効果を示す指標を持たないと、PDCAは回せないと思います。たとえば、人がどれだけケガをしたか、製品の不良率がどれだけあるかなど、その数値が研修の前後でどうなったか、変化を見る必要があります。


接遇&マナーではどうでしょうか。

加藤

具体的な指標というよりも研修後に受講者の意識と行動がどう変化するかということがポイントなので、現実的には上司の方や周りの人が変化をどう受けとめるか、ということになります。このときに大切なのは評価するという視点ではなく、どうすればモチベーションをもっと高められるか、という視点で接してほしいですね。研修をきっかけに受講者が自発的に目標を設定するよう上司の方が導くのも有効な方法だと思います。たとえば、明るく爽やかに大きな声で挨拶する、でもいいのです。大切なのは上司の方に指示されたからではなく、自発的に目標を立て実行することです。研修では自己啓発や自分でモチベーションを高めることの大切さもお伝えしますので、前向きになっている人の気持ちを、更に高められるように周りの人にも心配りしていただければと思います。


佐野川谷

研修をきっかけに受講者自身が気づき、前向きに努力するようになる。それを職場でのコミュニケーションによって更に高め、ひいては職場全体の雰囲気が良くなる、というのが理想的な形ではないでしょうか。